さて今回は茄子の煮物です。 京都風に言いますと お茄子の炊いたん ということになりますね。 茄子の煮物はいろいろなやり方手法がありますね。干し 海老を入れて味を乗せていっしょに炊くやり方とか、昆布 とかつおの八方だしであっさりと炊くやり方など。 さて 今回は出汁は使わずに酒だけで炊く茄子をご紹介いた しましょう。味もこっくりとかなり甘辛く炊きます。 鷹の爪 を少しきかせて、どちらかというと冷めてから冷蔵庫で冷やし たものを熱いご飯にのせて食べると美味しいですね。 茄子はなるべく長いものを選んでください。 茄子については この次のページで私の知ってる限りのことですが少しお話 いたしましょう。 とりあえず今回はこの茄子の煮物の作り方です。
まず茄子ですが大きさによっていろんな切り方が考えられます。 普通の長茄子なら縦に半分に切って、そのままか半分にお好みで 切りましょう。 皮目に斜めに細かく切り目をいれておきます。 できるだけ細かく切り目を入れておくほうが仕上がりがきれいですね。 もっとちいさい茄子なら縦に切らずにそのまままるごと蛇腹にきって 炊いてもおもしろいですね。 すぐに料理にかかる場合は別に水に 漬けてあく抜きする必要もありません。 茄子は焼き茄子にしてあっさりと醤油で頂いても、或いは焼き茄子 をさっと出汁で炊いたり吸い物に入れたりしてもほんとうに美味しい ものですが、こんな煮物の場合はカロリーが高くなろうがどうなろうが、 茄子には油を吸わせるほうが絶対に美味しくなりますね。 先ず油を用意して一度さっと揚げましょう。 中華でいう油通しより 少しだけ強めに揚げて下さい。 そしてこの揚げた茄子を鍋に湯を 沸騰させておいてすぐに一度湯に落とします。 こうすることによって余分な油を落とすのです。 茄子を炊く鍋にはひたひたぐらいに日本酒(できれば飲んでも美味 しい純米酒)と本味醂適量を入れ、沸騰させてアルコールを全部とば しておきます。 そこにまず砂糖をかなり多めにいれて一度味見します。 煮物などを味見するときは、横に冷水をボールで用意しておいて 思い切って人差し指と中指の先を出汁につけてすぐに口に含みま す。このときかならず味は喉の奥に広がるように意識して味見して ください。喉の奥に残る味をしっかりと確かめててください。 この味 が煮物になった時の喉越しの味に近いのです。 舌の先や上で味見しようとしてはいけません。 煮物に限らず 料理の味見は喉の奥で確かめます。これが煮物だけでなく料理の 味付けと味見のこつのこつです。 喉の奥に広がる食い味が 最後まで残ります。
さてこのとき砂糖と味醂だけで『かなり甘いかなあ・・・』と思うところまで砂糖を入れ、先程の揚 げて熱湯にくぐらせた茄子を入れて、先ず甘味がしっかり入るように炊きます。5分ほど炊いて から濃口醤油を入れていきます。 醤油を入れながらまた指をつっこんで味見をしますが、この ときも甘味が辛味に勝ってるぐらいでないと仕上がりは辛くなってしまいます。 魚のあらだきなどは特にそうですが、炊いていくうちに辛味が入ってきますので甘味が勝っている ぐらいで仕上がりはちょうど良くなります。 鷹の爪をひとかけ入れておきましょう。 茄子が箸でくずれそうなぐらい柔らかく炊け たら器に盛って生姜の極細に打って水に放しておいたものをたっぷりと載せて供します。 冷蔵庫で冷やしたものもまた格別ですよ。 (^▽^) 料理の味付けの順番で、よくサシスセソでと言われますね。 砂糖 塩 酢 せは醤油 ソはグルタミン酸ソーダ 所謂旨味調味料ですね。一説には味噌とも云いますね。 これはなぜかというと、砂糖の粒子が一番大きいからです。 塩と砂糖を同時に入れてしまう と粒子の小さな塩が先に入ってしまって砂糖が入らずに辛くなってしまうのです。 ですから甘味 を入れる場合はかならず甘味をしっかりと先に材料に入れておいてから辛味を入れていきます。 味噌醤油などは香りがとんでしまうので最後にということなのでしょうね。 吸い物やあらだきや魚の煮付けなど、醤油で味付けする料理は醤油の半分量を最後の仕上げ にさっと入れて一煮立ちで火から下ろします。 これで生醤油臭さものこらず適当に醤油の香り の立った仕上がりになるというわけです。