今回は炊き込み御飯のコツです
家庭料理のスタンダード
今回は炊き込み御飯をアップしてみましょう。

さて炊き込み御飯ですがいろんなものがありますね。皆さんは
何の炊き込み御飯がお好きでしょうか? 具の種類は挙げだ
したらきりがありませんが、今回はこの炊き込み御飯の味付け
などのこつを書いてみましょう。
写真は先ずオーソドックスに鶏の炊き込み御飯です。しめじ
とニンジンなども入れています。  やはり炊き込み御飯には
旨みのよく出る材料を使うとご飯も美味しくなります。 
そういう意味ではやはり鶏は間違いなく炊き込み御飯の定番
でしょう。 鶏の旨みと脂がご飯にほどよく回りなじみますね。
それではこの鶏の炊き込み御飯を例にとってお話しましょう。

炊き込み御飯のこつはまず味付けですね。 要するにどれぐらいの塩分を入れるのかということです。
答えは実はすごく簡単なのです。醤油の分量で米の量の一割です。それでまずどんな具であろうが
ほとんど万能に丁度良い味付けになるはずです。たとえば5合の米を使って炊き込み御飯を炊くとすると、
5合は900ccですから醤油をその一割の90cc入れればちょうど良い味になるというわけです。
さてここで問題なのは濃口醤油をそれだけ入れてしまうとちょっと色が濃くなりすぎて辛そうに見えるという
ことです。人間の思い込みとは不思議なもので、辛そうだと思うと丁度良い味でも何故だか辛く感じてし
まうのですね。(^▽^)    薄口醤油なら米の一割の分量をそのまま入れても色濃くは仕上りませんので
あっさりと薄口だけで炊いてもよろしいでしょう。
ただやはり炊き込み御飯には濃口醤油を使う方が味にコクが出てよろしいですね。そこで濃口醤油を使う
場合には、米の一割の醤油が90ccだとすると先ずその半分の45ccを用意します。残りの半量はどうす
るかというと醤油の代わりに塩を使うのです。  どう計算するかというと醤油の塩分濃度は濃口も薄口も
ほぼ同じで17パーセントですので、45ccの醤油の塩分を塩で補うとすると  45×0.17=7.65グラム
の塩
を入れれば良いという寸法です。     ちょっとややこしいですね。 (^_^; 

もう一度やってみましょう。今度は2リットルの米で炊くとしましょう。
2000ccの一割は200ccですのでその半分の100ccの濃口
醤油と100×0.17=17グラムの塩    これがちょうど良い
分量です。
ここで塩ですがやはりできれば質の良い塩を使いたい
ですね。私はセル ド ゲランド(フランスゲランド地方の天日塩で
材料の旨みを完璧に引き出します)
がベストだと思います。
これに好みで若干量酒とか味醂を加えてもよろしいですが材料
にもよりますね。私は醤油と塩だけで炊く場合がほとんどです。
さて鶏肉ですが使うのは良質な腿肉です。胸肉などを使うレシピ
も目にしますが、これでは全く味が出ません。ササミなどは論外です。

鶏肉の下処理は、匂いが気になる方は鶏肉を酒でさっと洗うとか炊く前に少し醤油にくぐらせておくとかいろいろ
手法はありますが、これもやはり最も良い方法は霜降りでしょう。さっと熱湯をかけて色が変ったらすぐに冷水で
洗ってから水気をとって切り分けてから炊きます。  それと鶏肉は裏返してみて黄色い脂の部分を必ず綺麗に
取り除きます。ここが臭いがあるのですね。

特別に水をよく吸う具とか逆に水分を出す具を多量に入れない限り、水の分量は普通のご飯とほぼ同じで
大丈夫でしょう。米の分量と同量プラス約1割ほどですね。 分量の醤油にこの場合は薄めの昆布とかつお
出汁を足してその分量にして炊きます。

炊き込み御飯でも煮物でもそうですが、材料そのものが旨みを持っているものなら薄めの出汁で炊きますが、
例えばきのこご飯のように材料に旨み成分のない具で炊き込み御飯を炊く場合は、普通に炊いてしまうと
ご飯が全然美味しくなりませんね。 材料にアミノ酸が含まれていないからでしょうね。 
そういう材料の場合は、しっかりと濃い目のだし汁で炊いて旨みをご飯に乗せてやらないと美味しくなりません。
冬瓜や大根の煮物などもそうですね。煮物の場合はしっかりと濃い目のかつお出汁で出し煮込みをしてやら
ないと美味しくなりません。おでんの大根が美味しいのはおでんの汁にすじ肉などの旨みが出てそれを大根が
吸ってるから美味しいのです。  煮物のお話は次回にでも煮物のレシピでお話しましょう。

閑話休題 この鶏の炊き込み御飯ですが、鶏肉がしっかり分量が入ると極端な話水で炊いても結構美味しく
なります。ですから鶏肉を使う場合はあまり濃いかつお出汁でなくても結構です。あまりかつおの香りがでると肉
とケンカすることもありますので・・・。  栗ご飯や松茸ご飯のようにご飯に香りや栗の滋味だけを乗せるものの
場合は逆にかつおの香りは邪魔になります。 この場合は水とごく少量の酒で炊きます。栗の場合は私は醤
油も使いません。  竹の子ご飯の場合は竹の子をあく抜きしてゆがいたものをしっかりと出汁で煮込んでから
炊きます。このあたりのものはまた春にでもお話しましょう     .(^▽^)    木の芽の季節にでも・・・・・・。

左はうちの 手前味噌 かき御飯です。 
かきに限らず貝類はすごく良質な濃い出汁がでますね。アサリを
使った深川ご飯なども美味しいですね。 ただ貝類の場合は濃
い出汁がしっかりと出ますのであまり多量に具を入れないのがコツ
です。 あまり具が多すぎますと逆にご飯の味がえぐくなります。
炊き込み御飯には使う米もまた重要な要素ですね。 うちでは
今はは宮城県産の ひとめぼれ を使っています。以前はササニ
シキを使っておりましたがどういうわけか良いササニシキがなくなり
ましたね。 好みではありますが私はコシヒカリは炊き込み御飯や
寿司飯には柔らかすぎて向かないと思います。銘柄は何でも良い
のですがぱらりとした食感で炊けるお米が宜しいかと思います。

             炊き込み御飯と 手前味噌でした・・・・。

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