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葛にしかない力と舌触り
吉野葛とその使いかたです
汲み上げ湯葉のページでこの吉野葛でとろみをつけた
掛け出し をご紹介しました。 写真がその吉野葛ですね。 
これは大きな箱に入ったものですがスーパーなどでは小さな袋
入りもありますので是非使ってみてください。  他の澱粉  
たとえば 片栗粉や小麦粉などに較べるとべらぼうに高価で
はありますがそれだけの価値はあります。
きめの細かさと澱粉のつながる力が他の粉とは全然異質
のもので、その結果あの葛独特の ねっとり感 舌触り 
が生まれるのです。

ちなみに片栗粉というのは 片栗の粉ではなく ジャガイモ
から採った澱粉です。 ワラビもちもワラビ餅粉というものか
らつくりますが、これもワラビの粉ではありませんね。御家庭
でカレーを作ってじゃがいもを入れてしばらく炊くと舌触り
がざらっとしてきますでしょう? あれはカレーにジャガイモ
の澱粉が溶け出してそれが舌触りを悪くしているのですね。 
よく水溶きカタクリでとろみをつけて・・・といわれますが
片栗粉(ジャガイモの澱粉)は粒子も粗く力も弱いので
舌触りもあまり良くなく、冷めてくるとすぐにもどってしまいます。
できれば片栗粉でなく葛を使う方が断然美味しいですね。

吉野葛は世界に誇れる日本のすばらしい澱粉だと思います。これほどの粘りとすばらしい舌触り
を作り出す澱粉は他にはないでしょう。 ご家庭でもこれを常備されて、中華でも和風でも洋風で
も、とにかくとろみをつける料理に葛の水溶きをお使いになれば断然味と粘りの持ちがちがってくる
はずです 。                    是非ともお試しください。


とろみをつける以外の使い方は、たとえばごま豆腐や養老豆腐のように材料を固める手法
です。フレンチならゼラチンでのゼリーー寄せとか和風では寒天等ですが、葛で固めたものが断然
美味しいですね。葛きりも葛で自家製すればほんとに美味しいですし、わわらび餅もわらび餅粉
だけでなく、葛を3割ほど混ぜて作ると大変舌触りがよくなります。葛饅頭なども本物の葛だけ
で作ったものは美味しいですね。 
葛で固めたものは冷蔵庫に入れるとすぐに白濁してカチカチになってしまいます。それで葛饅頭などは
なかなか本物の葛だけで作れないようですね。   でも葛が冷蔵庫でカチカチになった時でも
裏技があるんですよ。 熱湯にしばらく漬けておくのです。 そうするともとのねっとりした状態にも
どりますのでそれを取り出してまた冷ませばいいのです。 作った日に食べきれないものはやはり
冷蔵庫に入れないといけませんから、どうしても葛は扱いにくいと敬遠されますが胡麻豆腐など
はこの方法で完全にもとの状態にもどります。

それでは次回はこの吉野葛を使った胡麻豆腐をご紹介いたしましょう。