料理の鮮度と etc.

今回は料理とその鮮度についてよもやま話を少しさせていただきましょう。 ほんの幾らかでもどなたかの
料理のヒントになればとお話を進めてみますので、適当に読み捨ててください。 (^▽^)
 
 このお話は前回の天麩羅と春の木の芽和えのページ等との関連話ですので、そちらも
                                        ご参考までにどうぞ。  

このHPのしかもこのようなページを読んでみようと思われる方はおそらくかなりのお料理好きでしょうね。 当然食材の鮮度などにも
神経を使われて買い物されていることでしょう。 当店のHPで料理レシピのページを少しづつアップさせていただきながら、食材やそ
の見分け方や選び方、鮮度の見方などほんの私の知識の範囲内で折に触れてお話しておりますが、今回は料理の鮮度につい
て少しお話してみましょう。
みなさんは料理の鮮度というと所謂料理の材料である食材の新鮮さをまず思われるでしょうか? もちろん食材選びとその鮮度
は大切ではありますが、私はそれと同等かそれ以上に料理の鮮度というものが重要だと思っています。
前回の天麩羅そうめんや春の木の芽和えのページでも少しお話しておりますが、特に揚げ物や和え物は料理が出来上がってか
らの鮮度が非常に落ちやすい
料理です。 もちろん煮込み料理(カレーやシチュー、豚の角煮や黒豆などの煮込み料理)のよう
に次の日まで寝かせたほうが味がまとまるものもありますが、通常の料理ではやはり出来上がってからの鮮度、すなわちできてから
どれぐらいの時間で供することができるかということが大変大きく味を支配します。
そんなことは誰でも判っていることなのですが、実はこれがかなり家庭でも実現し難いことなのですね。たとえば揚げたての天麩羅
やフライをやけどしそうになりながら食べるとか、和え物を食卓で和えながら食べるとか、あるいはまだ湯気の立っているような焼き魚
に酢橘を搾ってじゅっと音を立てているものをほおばるとか、、、、、。これが出来そうでなかなか出来ませんよね。 (^▽^)

特に揚げ物は揚げてからの時間が勝負ですね。また最も鮮度と味が落ちやすいのも揚げ物だと思います。そういう意味では料理
の中で最も鮮度が大切なのは天麩羅やフライなどの揚げ物です。
   極端な話ですが刺身は切り出してから冷蔵庫に入れて
おいても少しの時間ならさほど鮮度はおちませんが、揚げ物は揚げてからものの10分でだめになります。欲をいえば3分までですね。
これがなかなか判っていても実現でき難いことです。また酢の物や和え物なども合わせ酢や和え衣で和えてからすぐに浸透圧の
関係で食材から水分が出ようとします。あっという間に水くさくなってしまいますね。また揚げ物にかぎらず熱を加えて火を通すということ、
すなわち料理するということは理論的には食材から水分を取るということですので、時間とともに当然どんどん水分が出ていってしま
います。その時旨みも一緒に出て行っているというわけです。 ここまで書いてきて当たり前のことなのですが、私も含めて最も注意しな
くてはいけない料理の基本とも云えるごく簡単なことをつい忘れがちになっていませんでしょうか? やはり面倒でも大変でも、作りた
てを食べさせてあげようという気持ちが、これまた当たり前のことですが料理の一番のこつのこつなのでしょうね。  
                       料理は愛情 という言葉は実はこのことなのでしょうか? 
            そういう意味で鮮度が一番必要なのは、実は料理以外のエトセトラ、愛情なのかもしれませんね。 
                                     料理と愛情の鮮度の相対性理論、、、でした。      f(^_^; 
 
         
                                ではこの次は食材の鮮度 魚の鮮度についてお話してみましょう。   

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